課題発見から問題提起までの準備
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
業務において、責任範囲が広がるほど、課題を自ら発見し、どの課題に取り組むか判断することを求められるようになってきます。そのため、今まではたまたま発見できていた課題や、わざわざ探さなくてもあからさまな課題だけではなく、それ以外の潜在的な課題も意図的に発見し続ける必要がでてきます。
そこで、この記事では課題の発見から問題提起までの準備について解説します。
課題とは
課題は、理想と現実のギャップ=問題を解消するためにすべきことです。ギャップの解消のための課題は1つとは限りません。
例えば、顧客満足度に関する例が以下です。
項目 | 内容 |
---|---|
理想 | 顧客からの問い合わせに対して24時間以内に100%返信を完了し、顧客満足度(CSAT)を90%以上に保つ |
現実 | 顧客からの問い合わせに対して平均返信時間が72時間かかっており、顧客満足度(CSAT)は75% |
ギャップ1 | 平均返信時間が48時間遅れている |
ギャップ2 | 顧客満足度が15%低い |
課題1 | 返信時間の短縮 |
課題2 | 顧客満足度の向上 |
今回の例はわかりやすく定量的なものですが、実際は数値として明確には表せない定性的なものもあるでしょう。
課題発見から問題提起までの準備が完了するまでのプロセス
課題発見から問題提起までの準備が完了するまでは以下のようになります。
1. 問題の兆候を捉える
現状における違和感や課題の兆候に気づき、潜在的な問題を意識する段階です。問題の内容が明確になっていなくても、違和感を感じ、問題として扱う重要性があるものとして認識する必要があります。
1-1. 問題の兆候の例
問題の兆候の例として以下のようなものがあります。
場面 | 例 |
---|---|
パフォーマンス指標の変化 | 売上の低下, 顧客満足度の低下 |
プロセスの異常 | 作業の遅延、エラーの頻発、計画との乖離 |
人間関係や行動の変化 | チームメンバーのモチベーション低下やコミュニケーション不足 |
外部環境の変化 | 規制変更、競合他社の新製品リリース、顧客ニーズの変化 |
1-2. 問題の兆候を捉える方法
問題の兆候を捉える方法として以下のようなものがあります。
方法 | 内容 | 例 |
---|---|---|
データ分析 | 業績データやプロセスデータを定期的に分析し、異常値やトレンドの変化を確認する | 月次売上レポートでの急激な変動を検知 |
観察 | 現場や関係者の行動、プロセスの進行状況を直接観察する | 会議中に発言が減ったり、メンバー間の協力が減ったことに気づく |
フィードバック収集 | 顧客や従業員からの意見や不満を集めて、兆候を把握する | 顧客アンケートで特定の商品への不満が増えている |
パターン認識 | 同じ種類の問題が繰り返し発生していないか確認する | 特定の工程で毎月同じミスが発生している |
1-3. 問題の兆候を見逃さない方法
問題の兆候を見逃さない方法として以下のようなものがあります。
方法 | 内容 |
---|---|
定期的なモニタリング | データや現場を定期的に確認することで、問題の兆候を早期に捉える |
違和感を軽視しない | 些細な違和感も後に大きな問題に発展する可能性があるため、記録しておく |
情報収集 | 一つの情報源に頼らず、複数の視点から兆候を確認する |
異常値を見逃さない | 異常値が単なるノイズではなく、課題の兆候である可能性を考慮する |
2. 問題を言語化する
問題の兆候として発見した内容について、理想と現実を確認し、言語化する段階です。
3. 原因の仮説を立てる
理想と現実のギャップがなぜ発生しているのかに関して、原因に対する仮説を立てる段階です。
解決策を試して結果を確認しないことには本当に問題の原因だったのかはっきりしないため、この段階ではあくまで『原因に対する仮説』になります。
4. 課題を言語化する
発見した課題を言語化する段階です。
原因の仮説に対して、どんな取り組みをする必要があると考えているかを言語化します。
まとめ
課題発見から問題提起までの準備をまとめました。この後の工程について気になる場合は、 問題処理入門 を参照ください。